日刊嶋根

毎日刊行する嶋根いすずのエッセイ

2024-01-01から1年間の記事一覧

わたしとキスして

2024.6.1 孤独と対峙するとき、いつも首筋に指の感触を感じてた。指は首から肩をなぞって、かんたんな力でわたしの体を地面に留めた。指は冷たくて迷いがなかった。迷わずにわたしを押さえつけた。 歳を重ねるにつれて、あの指がだれのものだったのか次第に…

初夏を使い切らないで

初夏のことを書かなければ、書かなければ。そう思ううち、もう初夏は終わった。気付くと梅雨に入っていた。この時期は髪の毛の表面がぱやぱやと粟立つのですぐにわかる。逃したなあ、もっと新緑の写真を撮っておくんだった。 季節が一つ巡るたびに、「わたし…

令和に寝取られた

じぶんが生まれた前後に流行っていた歌がいちばん心惹かれるね、これはなぜなんだろうなあ、とよく考える。音楽に限らず、ひとは永遠にじぶんの幼少期を生き続けているね。(わたしは2000年代のボカロ、エロゲソング、アニソン、アイドルなどが好きだ。最近…

女に教われない

2024-5-29 同性が目の前にいるだけで肋骨のあたりがちょっと固くなる(息が苦しい)。女教師、女医、バ先の指導者が女性だった場合、など本当に最悪である。差別的な意味ではないが、できれば女には教わりたくない。男性がいい。 原因はわたしの自他境界のゆ…

楽しみな予定が破壊されるとゆう予定だけを抱えて明日へ行く

2024-5-28 大雨警報でた。憂鬱で胸をごそごそさせながら歩く。楽しみな予定は大雨で流れた。昨日のよる、へんな気分だった。2ヶ月前から心待ちにしてた予定が目の前でぶっ壊されるのに、それでも明日に行かなくてはならないんだった。 流れる、ていう言葉か…

インターネットばくはつ後のおれたち

2024-5-27 わたしは10代、もっと言えば19歳、永遠に19歳。高校留年したかった、ともかく10代。 インターネットは10代が微塵も若くない。見渡せば、みんなもう立派なコンテンツになっている。わたしは手遅れの10代。焦る。承認されてないていうか、消費されて…

痛みだけがわたし

2024-5-26 うれしかった。どうでもいい人に傷つけられるよりも大好きな人に傷つけられたい。うれしかった、うれしかった。傷つくたびに、この痛みがどうか永く続きますようにと思う。そしてあっさり失くして、なめらかになった胸をさする。痛みを探している…

風のみえるもの、みえないもの

2024-5-25 6月はお菓子やめる、って言ったそばから、今日、バイト前に無印良品へ寄ってバームクーヘン2個買った。1個食べた。お腹すいてたから。残りは明日。明日朝早いから朝ごはん。てか、でもまだ5月だしいいか、と思った。 大森靖子の少女3号ばかり聴い…

恐ろしいのは時間の止まらないことだ

今日、いいな、と思ったものは自転車。赤いやつ。波の満ち引きみたく揺れながら遠くなってゆく。今日の風力と同じようなペースで。私は自転車に乗れないので、たびたび羨ましく思う。風が頬を撫でてさぞ気持ちいいだろう。頬よりもっといいのは、耳の裏側を…